朝の騒がしい昇降口
誰かに見られてる感じがして
振り返ってみたけど
人がたくさんいて、誰かはわからない
それからも
「チョ〜ッ!マジ寒い〜ッ!!
冬に体育とかって
もう禁止がいいと思わない?!」
「ユキナも早くおいで〜!」
「……うん」
――――… 見てる
廊下の窓から
集団で身を乗り出して
こっちを見てる
でもそれは
あの食堂にいたグループじゃなくて
…でもこっちと目が合うと
すぐに視線を外される
そして…
移動教室
うす曇りの空の下
校庭に面した、風の吹く中廊下
忘れ物して
一人戻って、帰って来る時
「…なっ!…今のだろ?"ユキナ"って」
すれ違った男子たちは
やっぱり知らない
…その言い方の感じと、へんな笑い方で
なにかウワサを流されたのは
決定的になった
"一発ヤッて捨てた"とか
"すぐヤラセる女"とか
多分、そういう感じだろう
…でも
私だけだったら、別にいい
…だけど今、もう一人の奴が
"友達も皆、そんな感じなのかな"
そんな言い方して、笑ってて…
…それだけは絶対…許せなかった…


