喫茶人形 〜メイドの恋〜




「――… そっかぁ うん
いやこちらこそありがとね
んじゃまたぁ」


…最初はただ
リョウスケのことを、誰か知らないか
少しの会話からでも
早く手掛かりが欲しくて
身を乗り出していた自分だったけど…


途中から

…この人一体
何人知り合いいるんだろう
そんな風に思うほど
連絡する相手は切れなかった


ピッ と
指輪の光る手が ケータイを切る



トオヤマさんは
新しい煙草の封を開いて
閉じたケータイを
テーブルの上に置いた


「…ヒロコちゃん」


「は…はいッ!!」




「ヒロコちゃんやっぱり
普通に、フラれたんじゃないの?」




「……え…」





「"リョウスケ"
この街には、もういないみたいよ」


「…ぅ…ウソッ…!!」


「信じないなら別にいいけど…」


「…な…ッ
何でもします…ッ!!!
わたし、なんでも…ッ!!」


座っている
トオヤマさんの
足元に駆け寄った


…何でもする

リョウスケに会えるなら なんでも…!


「…やめなよ
つか、なに自惚れてんだよお前」