ユイファさんが
男を叩き、服をおさえて
小部屋の外に 走って行ったのが見えた


「いって… ッんだよあの女ァッ!!」


殴られた奴は
そんな言い方はしてるけど
たいして怒ってる感じでもなく笑ってるし

周りもそれを見て
「馬鹿だなぁ」
とかいいながら大笑い ――――



頭…ぼーっとする


なんでだろ…


私、お酒飲んでないのに…



スカートの中に入って来る手を
必死にどかせようとしてるのに
あんまり 上手く動かない…




ヨル…?


ヨルが突っ立ったまま
泣きそうな顔で、こっちを見てる…


「――― ごめん…ッ
先輩には逆らえねえし…俺…ッ」




「おい、さっきの女どうした?」


「…!!」


私の体を押さえ込んでる奴が
煙草をくわえ、火をつけながら
ユイファさんのいたほうを振り返った




「ユ…ファには…手
出さなぃで…ッ!!」


「―― お?」