ずぶ濡れの髪の毛。 ずぶ濡れの体。 制服もさらにボロボロ。 私は顔を上げる事が出来なかった。 だって。 座り込んだ場所。 私の向かいには。 同じようにずぶ濡れになった…。 斉藤君がいるから…。 「馬鹿野郎。」 小さな呟き。 「俺は言っただろ。」 「…。」 「自分らしく生きればいいって。」 「だって、だって…。」 「だって、何だよ?」 私は顔を上げて斉藤君に向かって叫んだ。