人影が見えた。 川に入って行く人影。 「高梨!!」 その人影は俺の叫び声に反応せず、あっと言う間に体が消えてしまった。 俺は何も考えられなかった。 気付いた時には川に飛び込んでいた。 俺の父親は子供助ける為に川に飛び込み、そして帰ってこなかった。 俺はそんな父親が誇りに思う。 そう。 俺も。 川を潜ると沈んでいく人影。 高梨…。 腕を掴もうとする。 もう少し。 あと少し。 よし。 右腕を掴むとそのまま引き揚げて抱き締めた。 馬鹿野郎。 大馬鹿野郎が…。 「俺は…。俺は…。」