「俊樹くーん!」
「ん?」
いつものように授業を終え、サッカー部の練習へと向かう途中、数人の女子生徒に声を掛けられた。
女子生徒達はすぐに俺を取り囲むと、いきなり体中を触り始めた。
「な、なんだよ?」
「だってぇ~。」
「ねぇ~。」
顔を見合わせながら頷き合う女子生徒達。
って、お前達、誰?
「ばい菌が一杯ついたんじゃないかって心配でぇ~。」
「ばい菌??」
「そうよぉ、不潔で汚いばい菌が俊樹君にほんのちょっとでも付いたら大変だもん。」
「そうそう、ついでに貧乏菌とか、不幸菌とかが完璧な俊樹君に付いてたら大変だもんねぇ~。」
「まさか…。」
俺の中で嫌な予感がよぎった。
「だいたい、俊樹君に近づくなんてばい菌のくせに生意気なのよ~。」
「そうよ、ボロボロなのは服だけじゃなくて中身までなんて救いようがないもんね~。」
「ばい菌なんだからさっさと除菌されたらいいのに~。」

