斉藤君は目線を外す事なく、真っ直ぐに私に近づくと、肩から鞄を下ろして昨日と同じように隣に腰を下ろした。 その動きを目で追いかける。 座った後こちらに顔を向けて来た。 反射的に俯いてしまう。 「…。」 何を話せばいいのか分からない。 私が話をすれば…。 きっと迷惑に思うはずだから…。 「俺な。」 相変わらず返事をしない私に構う事なく話を続ける。