「また、隣に座ってもいいか?」
「…。」
「また、来るからな。」
!!
斉藤君の言葉と同時に私の頭に温もりが伝わってきた。
「イヤっ!!」
反射的に頭の上に置かれた右手を払いのける。
そのまま顔を上げて睨みつけた。
「悪かった。」
そう言い残すと斉藤君は鞄を肩に下げて去って行った。
その後姿を見ているうちに視界がぼやける。
「どうして…、どうして…。」
涙が頬を伝う。
どうして触るの?
どうして私なんかを触るの?
私、皆になんて言われてるか知ってる?
不潔。
気持ち悪い。
ばい菌…。
私って汚いんだよ…。
人間じゃないんだよ…。
ばい菌なんだよ…。
そんな私をどうして触るのよ?
余計に。
余計に。
辛いだけじゃないの…。

