「なぁ。」
ふいに声を掛けられた。
公園のベンチに座って声を掛けられたのは初めてだったから。
凄く驚いた。
そして。
声の方に顔を向けると。
昨日、私が感じた視線を向けていた男子生徒の1人が立っていた。
「隣、座っていいか?」
「…。」
どう答えたらいいのか分からない。
だって。
私の隣に座りたい人なんて。
この世にいないって思っているから。
「隣…、座るな。」
そう言うと、その男子生徒は鞄を肩から下ろすと、ためらいもせずに隣に座ってきた。
「…。」
突然の事で今度は俯いたままになった私。
どうしたらいいのだろう。
この男子生徒はどうして私の隣に座って来たのだろう。
ううん。
ホントは分かってる。
バカにしに来た事ぐらい…。

