それは突然だった。

「凛、俺と別れてくれない?」

「え……?」

ガタガタっと少し揺れる窓。
教室にはオレンジの色で染まって、
でも私の頭の中は真っ白だった。

「ごめん…」

「どうして…?」

どうして、そんなこと言うの?

「別に理由は無い。」

「っ…じゃあなんで!」

どうして…

「なんで別れようなんて…」

「もう好きじゃ無くなったから、
お前がどんな男といようがなんとも思わなくなったから」

「なんで……あんなに昨日だって好きって言ってくれたのにっ!」

「…ごめん…」

ピシャリと冷たく閉められたドア。

「うあ…っ!」

どうして…なんで急に…

ガラガラっとまたドアが急に開いた。

隼人?

「…っ隼人!」

「あれ?凛?」

え?そう思った。
それは隼人の声じゃ無い。
玲奈の声。

「どうしたのっ?そんなに泣いて!」

「玲奈…」

「なんかあったの?隼人君とケンカでもした?」

ケンカ…?
ケンカほどじゃない。
もっとひどい…

「………がぅ…」

「え?どうしたの?」

「違う…ケンカじゃない。」

「じゃあ…」

「わ…別れてって…」

「え!?い…われた…の?」

コクと頷いた。
玲奈はどうして?なんで急に?ってしつこく聞いてきた。
でも…私は何も答えなかった…
いや、答えたくても答えられなかった。
目のギリギリでストップしている涙がまた…溢れ出てきそうだったから。