キーンコーン
カーンコーン…

「凛ー!帰ろー!」

「あ、待って!玲奈!」

入学式は無事終わり放課後…
玲奈と一緒に帰ってる途中…。

「おい!隼人!早く帰んぞ!」

「待てよ!お前いっつも歩くの早いんだよ!」


………え?……

………は……や…と…?

聞きまちがえる訳が無い。
私の……

ぐるっと勢いよく振り向けば、
見覚えのあるあの顔。

「隼人……?」

「凛?どうしたの?」

玲奈は不思議そうに私が見てる方向に目を向けた。

「え……?」

玲奈はびっくりしたみたいで、声を思わず出してしまった。

「凛、嘘でしょ?隼人君じゃん」

「な…んで、ここに…」

あっちは私達がずっと見てることに気づいてない。

「凛、早く帰るよ!」

「…って……待って隼人…」

「凛!落ち着いて!」

玲奈の声に気がついて、

「玲奈…」

あいつは遠く、もう見えないくらいの所まで行っていた。

私の隣から急に、居なくなったように。

「凛…、帰ろう。」

今まで我慢してた涙がドッと溢れだした

「うっ…うっ…」

「凛?とりあえずここから移動しよ?」

入学式の帰り、人はどんどん通り過ぎる
私たちを見ながら。

「…ぅ…ん……」