あの時一瞬浮かんだ映像に
あたしより少し幼い女の子がいた気がする。

「ん〜…しかし、それだけじゃなぁ…」

確かにそれだけのヒントで
探し出すなんて皆無に等しい。

「誰か知ってる人いないかなぁ…」

麗奈はシャーペンを鼻と口の間に挟んで、
口を尖らせてる。

「居なくはないけど…
誰も教えてくれないでしょ?」

施設の人間や、学校なら知ってる人もいるかもしれないけど、
誰も教えてくれない。