心の傷と爪痕を辿って



「わかった。」

あたしは決意を固めた。


「え?」

あたしの肩に頭を埋めたままの麗奈が顔を上げる。

「あたし、
親探してみる。
あと、あたしが誰なのかも…」

真実を知るのは怖い。

だけど、

目を背けたらいけない。

そんなんじゃ、いつまでたっても前に進めないんだ。

「うん。」

麗奈はふんわりと優しく微笑ってくれた。