心の傷と爪痕を辿って


「お父さんだって、
お母さんがあんな事になんなかったら今でも優しいお父さんだったはず…」

抱きしめる腕に力を込めた。

「全然恨んでないなんて言ったら嘘になる。

…でも大好きだったのはホント…」

そう言うと麗奈はあたしの肩に顔を埋めた。