毎時間、毎時間が終わるたびに近づいてくる。


こわい。

と、ずっと自分の席にとどまっていた。



心臓が叩く。


「だいじょーぶ?」


ふと、上から声がかかる。


「ふぇ?!」

それは

中学からの友達、中畑紫乃だった。

「顔、真っ赤だよ。熱あるんじゃないの?」


紫乃は放課後のことを知らない。

「うん、だいじょーぶっ!ほらぁ〜、私って暑がりじゃん?」

「そうだっけ?」

なんて、首を傾げて考え込む。
その姿がまた、可愛くて。

そんな紫乃は彼氏持ち。

それも、他校のイケメン。

「まぁまぁ、紫乃は彼氏居るからいいよねー」

「うふふ。今日もデートなのー。」

「あーはいはい。わかったよ、いってらっしゃい。」

「うん」

紫乃は楽しみそうに、微笑んで自分の席に戻っていった。



さぁ、修羅場だ。