いつもどおり授業を受けて
いつもどおり部活をやって
いつもどおり帰ろうとした。
だけど、帰ろうとしたとき…。
「小田。」
優真が私の名字を呼んだ。
怖くて振り返ることができなくて
後ろを向いたまま
「なに。」
と、そっけなく返事をした。
彼は
「ちょっときて。」
と言って来た道を戻った。
慌てて真希も後をおった。
微妙な距離感を無言で歩いて
たどり着いたところは
人気の少ない北校舎の倉庫だった。
「手紙、読んだ。」
「うん。」
「嬉しかった。」
「そっか。」
「嬉しかったけど…」
「分かってるよ。」
「…うん。ごめん。」
「謝ることじゃないよ。」
「うん。」
「ありがとね。」
「うん…。」
真希は涙をこらえて
静かに倉庫から出た。
震える手をおさえ、
倒れそうな体をなんとか支え、
ひとりでとぼとぼ帰った。
優馬はじっとその後ろ姿を見ていた。
