呉羽一族

「おじいちゃん、少し時間い…あ、あれ?」


ドアをあけた向こう側にはおじいちゃんの姿はなく、彼女が立っていたのだ。




「あ、あの。理事長さんは少し準備をするからといってさっき出ていきましたよ」

あ、朝なんか言ってたわね。

「そうなのね。まあとりあえず座って?」

………あ。そうだった。


「後ろにソファーがあるから」


彼女は目が見えなかったんだ。


彼女はぺこりとお辞儀をすると静かに腰を下ろした。