男がいなくなって
静まりかえった
休憩室―
「なあ…蘭…?」
そういった瞬間
蘭は休憩室を
でていこうとする
「ちょっ…まてよ」
そういって
蘭の腕を掴んだ
蘭の動きが止まる
「お前なんで
俺のことシカトしてんの?」
そう聞いた瞬間
「触んないで」
そう小さく蘭が
つぶやいた
なんで……?
下を向いていた蘭が
顔をあげた…
驚いた…
蘭はいまにも
溢れだしそうな
涙をこらえて
真っ直ぐ俺をみてきた
「なんで…?」
「拓海あたしのこと
嫌いっていったじゃん
うざいっていったじゃん
だからほっといてよ…」
いまにも消えそうな
小さな小さな声で
蘭がつぶやいた…

