Different Real



「恋、ですね!!!」


口に入れようとしていたクッキーが床に落ちる。

あ!びっくりしすぎた!!

日曜日、部活がないというみゆきと家で久しぶりに遊んでいる。

「もう紗恵ったら完璧に神尾くんに恋してるじゃん♡」

「こ、ここここ恋とか!そういうんじゃないよ!」

落としたクッキーを急いで拾う。

「えー?だって好きって言われてドキドキしちゃったわけでしょー?」

「ドキドキ、って。そりゃあ、初めて男の子に好きって言われたんだもん。誰だってドキドキするでしょ?」

「うーーーーん......。
じゃあさ、神尾くんって女の子は紗恵としか話さないじゃない?そこはどう思う?」

「ど、どうって...」

神尾くんはただ人とコミュニケーション取るの苦手なだけな気がするんだよなぁ。

久しぶりに学校来て、あんなに一気に囲まれたら対応にも困るだろうし。

それに、神尾くんは慣れたらすごく話してくれる。

どう思うって言われてもなぁ...。

「神尾くんは紗恵としかしゃべらないんだよ!?特別なんだよ!?優越感っていうか、そんなものはないの?」

特別......。

実際、神尾くんが誰かと話してる姿をあまり見たことがない。

男の子と絡んでる姿も、、あ、あれ?見たことない...?