「ねぇ、」
「え?」
聞き慣れた声、ふわっと優しい少し低い声。
隣を向くと神尾くんと目が合う。
「俺あんまり榎本と話さない方がいい?」
「えぇ!?どうして?」
「迷惑かな、と。明らかに榎本、女子から避けられてるし」
「うっ...」
神尾くんと唯一話してる女子、ってことで女の子たちからはかなり嫌われてしまった。
未だに友だちはみゆきだけだし...。
だけど、
「迷惑なんかじゃないよ?確かに女の子たちからは避けられてるけど、神尾くんと話してるの楽しいし!友だちは量じゃないでしょ?」
にこっと笑って言うと、神尾くんはクスッと笑った。
「うん、そういうとこ。」
「ん?」
神尾くんは真っ直ぐ私を見て優しく微笑んだ。
「榎本のそういうとこ、好き」
「...うぇ.........!?!!!?」
顔がボンッと火を吹いたかのように熱くなる。
す、すすすす好きって!!!!
プチパニックを起こし冷静になれない!
神尾くんはそういう意味で言ったんじゃない。
それは分かっているのに、
それでも......
ーーーうれしい。
って、思っちゃったよ。

