「本当に目障り」


そう吐き捨て教室に戻ろうとした時、


「お前は何がしたいんだ?」

「…は?」


そんな風に呼び止められていた。


「お前ぐらいの顔なら男に苦労しねえだろーが、彼氏いる訳でもなくセフレ関係しか作ってないだろ」

「なに?キモいって」

「普通高校生なら彼氏つくったりして遊ぶもんだろ。セフレ関係ばっかしてるといつか必ず後悔するぞ?」

「…っ」

「それとも何か理由があるのか?あるならいつでも聞くから、もう少し自分のこの大切にしろよ」

「内海せ…んせい」

「ん?」

「わたしね…実は…って、ふはは!我慢出来ない!!あっはは!」

「おまえ…」


ここで泣き真似でもしたら面白いんだろうけど我慢出来ずに笑い出してしまった。


「ねえ、内海先生。私のこと勘違いしてるんじゃない?」


そう一歩、一歩と近づいていく。


「別にドラマみたいに悲劇のヒロインでも無いし、内海先生が思ってる様な可哀想な子じゃないよ?」

「…ああ」

「毎日が退屈で仕方ないの。刺激が足りないだけ。だからセフレ利用してるだけ。自分大切にしろとか本当に笑っちゃう」

「…おまえ」


内海先生の近くまで止まり勢い良く胸ぐらを掴む。あと数センチで唇が触れるいうギリギリの距離で私は綺麗にニコッと微笑んだ。

「内海先生には関係ないことです」


そして胸ぐらを離して教室に向かって歩き出した。