「あ、いた」
呟くのと同時に村山の元へ駆け寄り、胸ぐらを掴む。
「オイテメエるー……鴉どこやったんだよ」
ついいつもの癖で「ルーク」と言いかけて本名に言い直す。
「ぐっ……」
「瑠稀姉っ……」
「何だコイツこんなキャラなのかよ」
うめき声を漏らす村山を揺さぶっていると、心配気な潤佳ちゃんと呆れ顔のセンパイが寄って来て、センパイがあたしから村山を離す。
「げほっ……なかなか熱烈だね、彼氏がいるのにいいの?」
「その『彼氏』をどこにやったかって聞いてんだよ」
「彼氏」という単語に潤佳ちゃんがあたしの顔を見て理解不能という顔をした。
「何?どこやったってどういう事?」
制服についたシワを払いながら訝しげな顔で質問を重ねる村山は嘘を吐いているようには見えない。

