「手紙」探しのため、与えられた部屋で手帳のページをめくっていると、あるページで手が止まった。
思いつきでメモをとっていたためだろうと想像出来るが、これまでのページでは文字が罫線に沿って書かれている事はほとんどなかった。
あったとしてもページの一部分だけで、それもだんだん罫線から逸れていた。
それが、このページだけ綺麗に罫線に沿って書かれている。
一番上に書かれているのは、「I:」の次に数字とアルファベットが混ざった文字。その次の行には「P:」の次にも数字とアルファベットの文字列。
行を空けてまた同じように「I:」と「P:」の不規則な文字列が並び、行を空けて「I」と「P」から始まる文字列が、と規則的に繰り返されている。
「I」は「ID」、「P」は「パスワード」の略だと考えるのが妥当か。
そうすると数字とアルファベットの文字列はIDとパスワードになる。