「だ、れ……?」


そこで慎也さんがこちらに気付く。


「宮間くんの事務所の方たちよ。探偵事務所なんですって」


女性は目元を拭ってあたしたちを紹介する。


はじめまして、と声をかける。


「み、やま――……宮間!?探偵!?――うっ」


慎也さんは寝ていた体を勢いよく起こしかけながら(恐らく筋力的に難しかったようで、顔をしかめてうめき声をもらして諦めた)、今日一番(というか恐らく入院生活の中で一番)のはっきりとした大きな声を上げた。