電話を切った潤佳ちゃんがこちらを向き、病院名を言った。


「隣の市の病院だね。行ってみようか」


「ここはどうするんですか?まだ営業時間内ですよね?」


莉央さんの発言に首を傾げる。


「特に急ぎの案件も午後に来る予定のお客さんもいないし」と前置きして莉央さんは言う。


「ルークがいない今、決定権は全て副所長の俺にある。勝手にいなくなったんだから文句は言わせないよ」


笑顔で言い切った。今一瞬寒気がした。


「なんか今怖かった……」


学が呟き、潤佳ちゃんがこくりと頷く。


「莉央さん笑顔だけど怒ってるよねコレ」


コソっと言うと、学がコクコクと頷いた。


「ん?どうした?」


莉央さんが笑顔のまま首を傾げると、3人一緒に首を横に振った。