お茶を淹れ、男――渡辺の前に置く。 「それで、依頼の内容は」 テーブルを挟んで向かい合うように座り、話を切り出す。 「森の意識が一時的に戻ったそうだ」 その言葉に息を呑む。 「一時的、ですか」 「ああ。またすぐに意識がなくなってしまったらしいがな。その時、『わたな……みやま……てが……』とうわ言を言ったのを彼の母親が聞いていた。『わたな』というのは多分私のことだろう」 「『みやま』は『宮間』。一番彼と仲が良かった私のことだと?」 渡辺はお茶を一口飲んで首肯する。