窃盗犯が曲がり角にさしかかった時、ちらりとこちらを振り返った。
追いかけてくるあたしに気付いたようで、一瞬驚いたような顔をした。
その隙にスピードを上げ、窃盗犯の背中に飛び蹴りをかます。
「ぐあっ」
窃盗犯はカエルが潰れたような声を出して転び、鞄が投げ飛ばされる。
周囲にいた人たちが驚いたような声を出したがしょうがない。
笑顔で「お騒がせしてすみません」と謝罪し、落ちた鞄を拾い、窃盗犯の襟首を掴む。
窃盗犯は意外におとなしく引きずられる。
ずるずると窃盗犯を引きずりながらカフェの入り口に戻り、呆然と立ち尽くしていた窃盗犯がぶつかった女性に謝罪をさせる。
女性は戸惑いながら謝罪を受け入れ、あたしのことをちらちら見ながら帰って行った。
元クラスメイトも何がなんだかわからないといったような顔をしながら後をついてきて鞄を受け取り、ありがとうと言った。

