宮間探偵事務所事件ファイル 6



予想外の出来事に動揺した渡辺のナイフを当てる力が弱くなる。


その隙に渡辺の顎に思い切り頭突きを食らわせ、瞬時に渡辺から離れる。


「ぐっ……」


いつの間にか近づいていたルークが渡辺が持つナイフを弾き飛ばすとそのまま拘束する。


「森につけている見張りからも3人の男を捕まえたと報告が入っている。諦めろ」


渡辺はルーク言葉を聞くと抵抗するのをやめ、大人しくなったところで宮間刑事が手首に手錠をかけた。


ルークと莉央さんとセンパイは事情聴取のため秋山刑事と警察署へ行き、学校に残っていた教師がイクヤさんたちを自宅まで送るといい、残ったあたしと学は宮間刑事が家まで送ってくれた。


「何でユウヤが渡辺の自宅に?」


車の外の景色を眺めながら思わず呟くと、宮間刑事が答えてくれた。


「鴉に渡したネックレスの発信機で、渡辺が鴉と5人を連れて行った場所は渡辺の自宅のマンションだって分かったでしょ?」


そして、渡辺の別荘での何気ないあたしの会話から、5人が乗った車が初心者マークの付いたミニバンだと判明。


それを時計型の盗聴器で聞いた莉央さんたちがユウヤたちに指示を出して渡辺の自宅マンションに張り込ませ、渡辺が自宅を出た後にその車が停まっている駐車場の番号から分かった渡辺の部屋番号に乗り込み5人を保護した、と言う訳らしい。


「思ったより呆気なかったね」


「人質になった瑠稀ちゃんが言う?」


ザコボスか、と悪態を吐くと学に苦笑された。