「まあ、ここを出るまで彼女には少し付き合ってもらう。お前らはこの教室から出るなよ」
「うわっちょっ……!」
渡辺はあたしを引きずりながらセンパイが乱暴に開けたドアに向かう。そして。
「動くなッ!」
「警察だ!」
教室から一歩踏み出した瞬間、両脇から鋭い声が聞こえた。
「あっ!」
教室から漏れる明かりで両脇の人物が秋山刑事と宮間刑事だとわかる。
「警察……!?」
「どうしてここに?」
「君たちのボスが何の用意もせず取引をすると思うかい?」
問えば渡辺を睨みつけたまま秋山刑事は不敵に笑う。
「クソっ……あいつらがどうなってもいいんだな……!?」
ナイフを持つ手にさらに力を込め、反対の手はポケットから取り出した携帯でどこかに電話をかけ始める。
「おい、そいつら−−」
『あ、このスマホの持ち主なら伸びてるっすよ』
携帯の向こうから聞こえたのは緊張感のないユウヤの声。

