それからもう1枚破り、何か数字とアルファベットの羅列を記す。


「さっき言っていた『note』……『手紙』という意味も持っていてな」


テーブルの上で開かれたままの手帳をルークが指差す。


何かの数字とアルファベットが書かれていて、一行上に『note』と書いてある。


「慎也さんが言ってたメッセージアプリ……」


「森の遊びに付き合ったがすぐに飽きたようで、俺もすぐにアンインストールしたから忘れていた」


イクヤさんの住所のメモをタクミと呼ばれた人から受け取り、数字とアルファベットが書かれたメモをルークから受け取る。


「イクヤの説得は瑠稀に任せる。
2枚目のメモは学に渡して置いてくれ。メッセージアプリの俺のアカウントだ。アプリの仕様上引き継ぎをしないと他の端末ではログインが出来ない。
森の携帯がどこにもないのなら、おそらく渡辺が事故の時に処分をさせたか、先程の様子だともしかしたら持っているかもしれないが……。まあどちらにしろ森の携帯がないと森アカウントではログインが出来ない。
俺が使っていたのは機種変更をする前の端末で、まだ実家に置いてあるはずだから、潤佳に取りに行かせろ。
その端末でログインしたら……おそらく、高校に行けば『手紙』の内容を見る事ができる。俺の考えが正しければ、森はきっと『手紙』を学校のどこかに隠しているはずだ」


あたしと言うより盗聴器を通して聞いている3人に説明すると、立ち上がる。玄関まで歩きながらルークはあたしを見る。