今日は渡辺がこの別荘に来る予定だ。この「手紙」に書かれている事が渡辺の欲しがっている情報かは分からないが、これ以外に森が俺に送った「手紙」の手がかりがない。これを報告し、中身を確認すれば渡辺からの依頼は終了となるだろう。
日が暮れた頃に渡辺が来て、入って来るなり進捗を聞いてくる。
「何か分かったか?」
ソファーに座った渡辺にお茶を出して渡辺の向かい側に座り、パスワードなどが書かれたページを開いたままの手帳をテーブルの上に置く。
「……手がかりは見つかりました。この『note』はスマートフォン用のメッセージアプリの事だと思います。欲しがっている情報と一致するかはわかりませんが、森の言っていた『手紙』はこの事かと。スマートフォンがないので中身の確認はしていませんが」
「そうか……。他に可能性があるものは?」
「手帳を見る限りはありません。……このアプリは以前森と使った事があるので、私の名前を出したのなら恐らくこの事だとは思いますが」
すると、渡辺はしばらく考え込み、ここを出る支度をしろと指示を出して、1時間ほど仮眠を取ると、2階へと上がっていった。

