発信機を追って1、2時間程車を走らせ、発信機が止まったのは避暑地としてよく耳にする地域のある家だった。


その家から少し離れたところで車を停める。


「ここからどうする?」


「あたしが徒歩で行く」


学の言葉にドアを開けながら答えると、3人が不安気にこちらを見る。それに大丈夫だと笑顔を見せると、「じゃあ、これ着けて行って」と学がカバンから腕時計とネックレスを取り出す。


「念のために、ね。腕時計は盗聴機、ネックレスは発信機になってる。盗聴機の音はずっとこっちで聞いてるから、何かあったらすぐに呼んで。渡辺が帰るか、1時間しても戻ってこなかったら向かうから」


説明を聞きながらそれらを身につける。


潤佳ちゃんがマフラーを首にかけてくれた。


「その道、ずっとまっすぐ。瑠稀姉、気をつけて」


頷いて車を降りる。