慎也さんのお母さんから莉央さんに見てもらいたいものがあると連絡があったようで、翌日また病室にお邪魔する。
病室に入ると、ベッドの周りに用意してあった椅子に座る。
「今まで慎也宛に来た郵便物はあまり確認しないで溜めていたんですけど、昨日整理していたらこんなものが……」
そう言ってお母さんは莉央さんに1通の封筒を渡した。
送り先を横から覗くと、科学鑑定所からのようだ。
「消印は……事故に遭った後だね」
まだ開封されていなかったので、許可をもらって莉央さんが丁寧に開封する。
「持ち込んだカップの中身の鑑定?この成分は……睡眠薬……」
莉央さんが報告書の内容をかいつまんで説明してくれる。
「睡眠薬?」
みんなが慎也さんを見る。