「別れよう。」

ひびは突然そういった、休日のデート真っ最中の時に。春とひびは手をつないでいつも通りに仲良くたわいのない会話をしていたその時に告げられた。

「……。」

春は言葉も出てこない、数秒たってひびを見ながら涙を流した。

「いや…だ。」

頑張って嫌だと伝えた言葉はひびには届かなかった。

「実のことを話すと、俺好きな子ができたんだ、もう付き合ってる。」

またまたひびの突然の言葉に春はさらに涙を流す。

『もう付き合ってるってなんなの、私のこと最初から好きじゃなかったってことなの?』

そうひびに言おうとしたが声が出ない。
それでも頑張って春は声を出す。

「いや…嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!」

必死に春は言った。それでもひびは、

「ごめん、でももう別れるって決めたから、勝手なやつでごめんな。」

春は地面に崩れるように座った。ひびはそんな春を置いてもう何も言わずに去っていった。

「うわぁぁぁぁぁぁん!!!」

春は泣き叫んだ。声が枯れてしまいそうなほど。そのくらい春はひびが好きだったからだ。