下駄箱の前まで来た時、美羽に肘でつつかれた。
何かと思ってその視線の先を見ると、そこには健太くんがいた。
上履きを今まさにしまわんとしているところだった。
美羽がなぜか急いで下駄箱に向かう。
そして自分の下駄箱を開けて、わざとらしく咳をした。
健太くんは美羽の方を向いた。
そして口を開く。
「美羽、風邪?」
少し低めの、セクシーな声。
健太くんはその声で、基本的に誰でも呼び捨てで呼んでいる。 (なかなかずるいと思う。)
「そうなのかなぁ。今日咳でちゃってさ。」
美羽は嘘ではないそんなことを言う。
「俺もなんか今日咳やばいんだよね。」
健太くんは困った顔で言った。
困った顔もイケメンだ。


