タイムトラベラー・キス

一階には洋服は売っていなかったため、エスカレーターで上の階に向かうことにした。

「ほら、前に来いよ」

「う、うんわかった」


野々村はエスカレーターでは、私を先に乗せてから乗った。


「いつも言ってるだろ、お前がこけても大丈夫なように、俺の前に乗れって」


そういうことか……。
エスカレーターに乗るときまで、私のことを気遣ってくれているんだ。


「ごめん、ありがと」


「どんくさい彼女を持つといろいろと大変だよ」


……もうそんな意地悪も、意地悪に聞こえなくなるよ。