タイムトラベラー・キス


「……なんだよそれ、嬉しいような、複雑なような」


反応に困りながらも、野々村くんは頬を赤らめている。大人の彼が照れているところ、久しぶりに見たかも。



「私も過去に戻ったとき、高校生の野々村くんに恋したよ」


「……そりゃ、どーも。あと、何度も言うけど“雪”って呼べよな」


「うん。……雪って、とっても綺麗な名前だもんね」




……いろいろなことがあったけど、私はタイムトラベルをしてよかったと心から思う。


過去を知り、未来を知ることで、“現在”の尊さを知ることができた気がする。

また、違う時代の雪に出会えたことが、よりこの愛を深めることができたと思う。


いっぱい失敗したけど、それもすべて成長につなげていきたい。


そして、世界で一番大切な人と、二人でひとつの道を歩いて生きたい。


次また何かにつまづいた時は、最初に、大切な人に話を聞いてもらおう。


それが、夫婦というものだと思うから。







Fin