保健室のドアをトントンとノックすると、奥から先生の声が聞こえた。
白井先生の優しい声だ。
「失礼します」
「あら、貴方は確か、この前野々村くんと一緒に来た子よね?とりあえず、ソファに座りなさい」
「はい」
先生に言われた通りにソファに座ると、先生は「落ち着くから」とココアを作ってくれた。
確かに、ココアの甘味と温かさで心がほぐされたような気がする。
「それで、かなり泣いたみたいだけど、何かあったの?話したくなかったらいいんだけど、吐き出すと楽になるかもよ?」
先生は優しい口調で私に問いかけた。
ああ、この人は本当に養護教諭に向いているな、と思った。
「あの……自分の選択が間違っていて、大切な人が自分から離れてしまった場合、どうすればいいですか」


