「ありがとう、大切にする」
「おう」
野々村くんからぬいぐるみを受け取った瞬間、ふと未来の私たちの家のことを思い出した。
確か、リビングの棚にぬいぐるみを飾っていて……そう、シロクマのぬいぐるみもあったはず。
そして、こんな探検隊の服を着ていた。
……いま受け取ったぬいぐるみが、10年後の私たちの家に飾ってある。
それはつまり、今こうして二人で映画を見に来たことは、時間の流れに沿った出来事であるということだ。
過去に来てずっと不安だったけど、ここにきてようやく安心できた気がする。
「そろそろお腹も空いてきたし、移動するか」
「うん、そうだね。何食べる?」
野々村くんとお昼の話をしながらゲームセンターを出ようとしたとき、見覚えのある4人組の女性とすれ違った。
気のせいかもしれないけど、そのうちの一人がこちらを睨みつけていたような気がする。


