彼の薄い唇に、そっと触れるだけのキスをしてすぐに離れた。
「……ん?」
竜見くんは目をつぶったまま動こうとしない。
本当にまつ毛が長くて、目を閉じててもきれいな顔立ちをしている。
「あ、あの……キス、したよ?」
「今のはキスのうちに入らないよ、もう一回、ちゃんとして」
「そ、そんな」
今のはキスのうちに入らないって、ディープキスをしろってこと?
いや、さすがにそれはハードルが高すぎる。
……私がおろおろしている間も、竜見くんは微動だにせず私のキスを待っている。
……私も、覚悟を決めるしかない。
もう一度、自分の体を彼に近づけ、今度はしっかり唇と唇を合わせた。
ゆっくり唇を離そうとすると、竜見くんは、
「もう一回」
といい、またキスをすると、
「もう一回……」
と、私に繰り返しキスをさせた。


