手首に感じていた圧迫感が急に無くなり、私は自由に動けるようになった。
「ごめん、泣かないで。そんなこと言われたら……もうなにもできないや」
竜見くんは私から離れ、ポケットの中から青色のハンカチを取りだし、私にくれた。
「それ、返さなくても大丈夫だから。……そろそろ本当に、雫ちゃんのお家に向かうよ」
竜見くんのハンカチは、彼の爽やかな香水の香りがした。
いいにおいだけど、落ち着くものではなかった。
私たちはそれからはずっと無言で、車内にはただただラジオが流れていた。
今になって、足首にじんわり痛みを感じる。
その痛みよりも、いま竜見くんと同じ空間にいることが辛くてたまらなかった。
「ごめん、泣かないで。そんなこと言われたら……もうなにもできないや」
竜見くんは私から離れ、ポケットの中から青色のハンカチを取りだし、私にくれた。
「それ、返さなくても大丈夫だから。……そろそろ本当に、雫ちゃんのお家に向かうよ」
竜見くんのハンカチは、彼の爽やかな香水の香りがした。
いいにおいだけど、落ち着くものではなかった。
私たちはそれからはずっと無言で、車内にはただただラジオが流れていた。
今になって、足首にじんわり痛みを感じる。
その痛みよりも、いま竜見くんと同じ空間にいることが辛くてたまらなかった。


