『っ!!いってぇー!!何すんだ!』






斎「痛くして欲しそうだったからな」


『誰がそんなこと頼んだ!優しくしろ!優しく!』


斎「ではそれなりに申し訳なさそうな態度をとれ」


『何でだよ、俺だって好きで手当てを受けてる訳じゃない』


斎「...お前は死んでもよいのか?」


『いいんだよ』




































斎「...それは本心か?それとも勢いか?」


『本心だ』


斎「...なぜだ」


『...』


斎「なぜそのような事を平気で言うのかと言っておるのだ!」



































『...別に...お前には関係ないことだよ』


斎「なっ!?」


『悪いけど、俺は自分以外信じてないから』


斎「...竜...」


『...つか信じれるわけないし』


斎「...お前の過去に何があったかは知らんがここはお前のいた場所とは違う...だから」


『だから信じろって?無理な話だな』


斎「...」


『それにさ、女なのに竜って名前付けるか?親としておかしいんじゃないのか?』


斎「...それはお前がそう名乗ったから...」


『そんなもん偽名だよ偽名』


斎「...」


『あんまり驚いてないな』


斎「偽名を使ってるなんて沢山おるからな...」


『ま、この時代の事情なんか知ったこっちゃないね』























斎「...何を考えておるのだ」


『...何を考えておるのだ...ってそんなの決まってんじゃん』








斎「まさか...」


『出ていくよ、ここから』


斎「そんなことをすればどうなるかお前も知ってるだろう!」


『あぁ、知ってるよ?』


斎「ならば何故!」


『...ここにいても何も得るものはない、寧ろ自分を堕落させる原因になる、だから出ていく』


斎「...ここを出ても行き先もないのに...無駄足だ」


『無駄足かどうかは俺が決めることだ』


斎「...だが!」


『それで死ぬなら俺はそこまでの人間だったって事だ』


斎「...だったら尚更出て行かせる訳には行かない」


『...はぁ、拉致があかない』





竜はそのまま立ち上がると


部屋を出ていってしまった






斎「竜!まだ治療が終わってないぞ!」


『いらねーよ』


斎「ちょっと待て!」


隊士「斎藤組長!副長から緊急の召集が...」


斎「っ!?副長が?......分かった、今すぐ行こう」



斎(...こんな時に!...竜!まだ行くな...)










『...』






















その話を聞いていた竜は


無人になった斎藤の部屋に入り


来たときに持っていた刀と鞄を持って


屯所から出ていく準備をしていた