「なんだ、アオって子供じゃん。ってか、オレのこと知ってんじゃん」
え。日樹には見えてるの?
何で?
お風呂上りのアオくんの髪を拭きながら、2人楽しそうに話している。
「今日から一緒に住むからヨロシク!」そう私に言うと、バスルームに向かっていった。
頭の中は真っ白。
何がなんだか・・・分からなくなって、その場に座り込んだ。
アオくんがニコニコしながら近付いてきて「よかったね」と耳元でささやいた。
え。どういう意味?
聞き返そうとした時、
「佑美ーッ。親には言うなよ、俺のこと!あ、あとパンツ取って」
・・・・
1人で考えてるのが何だかアホらしくなった。
日樹だもんね、きっと話したら分かる。
今日から302の住人は3人。
私や日樹にしか見えない、ちょっと変わった小さなアオくん。
そして突然現れた幼なじみの日樹。
広くない部屋はもっと狭く感じたけど、1人よりずっと楽しい。
