パルドッラム伯爵家につくと、鎖で繋がれた人達はいなかった。
その代わり、門には杖を持った魔導師たちがいた。
どうしよう…。
ここで正面から「リズを返せ」と言っても、聞いてはくれないだろう。
しかもその場合、捕まれば俺も奴隷にされてしまう。
そうなると、リズを助ける人がいなくなるし、リーアちゃんを守る人もいなくなる。
俺はとりあえず、少し離れた背の高い木に上った。
何処か、穴はないかな……。
パラドッラム伯爵家を隅の隅まで見て回る。
ーーあ!
門の反対側に塀にがある。
しかも、あそこだけ一メートルくらい低くなっている。
他はどこも三メートルはアル。
入るなら、あそこしかない。
暗くなっていて、木も茂っているから、入っていくときにもそんなに目立たない。
俺は、木の枝と枝を乗り継ぎながら、その一メートルの塀のところまで行った。
ーーけれどこの後、俺は思い知った。
自分の浅はかな行動で、
大切な人達を失う事になるとは…。


