うん…、間違いないだろう…。
リーアちゃんは、パルドッラム伯爵の家の前を通るとき、「おしろのおうち」と言う。
俺から見ても、伯爵の家は豪華で煌びやかで、リーアちゃんがお城と名づけるのも無理ないと思う。
ただ、今の状況でそんな事は言ってられない。
俺は急ぎ、パルドッラム伯爵家へ向かう。
そこには、鎖で繋がれた人達で溢れていた。
リズの姿はまだ見えないが、リーアちゃんの言うとおりであれば、あの中にリズがいる。
俺は、そこら辺に合った紐でリーアちゃんの髪を一つにまとめると、後ろにくっついているフードをかぶらせる。
少しでも、奴隷商人にリーアちゃんを遠ざけるためーー。
そして、いつもお世話になっている、バグおじさんにリーアちゃんを頼んだ。
俺がこのスラム街で唯一、信用できる人だ。
何があっても、リーアちゃんを守ってくれるだろう。
そして再び、パルドッラム伯爵家へ向かう。
急ぐ鼓動。
震える足。
見つかったら、死ぬだろう。
ーーそれでも俺は、リズを………。


