俺たち7人は、家の前で待っている。


お姫さんが来るのを。


がちゃっ!

勢いよく玄関の扉が開いた。
慌てているのが伝わってくる。

中から茶色い髪の女の子が出てきた。


俺たちが待っていた女の子だ。

名前は美雪(みゆ)


「ごめんねーー!」

美雪が謝る。息を切らしている。


「そんなに慌てなくてもいいのに。」」

薫が笑顔でそう返した。

「そうだよー。僕だって今さっききたんだからさー。眠いよね〜。」

大あくびをしながら、薫に後ろから腕を巻きつけた軽兎がこたえる。


「時間厳守は大事なことだ。まあ、まだ遅れてはいないけどな。」


春賀がメガネを直しながら返す。



「それにしても珍しいね?遅れそうになるなんて。」

髪が茶色くて長い圭哉が美雪に問いかける。


「うん。ごめんね…。昨日の夜緊張しすぎちゃって…ねれな…」

「もしかしてねれてないの?」

あきらが話に割って入る。

するとすぐに美雪に近づきおでこに手を当てた。


「熱はないみたいだね。顔色も悪くない。
お肌の質は…。」


「だっ大丈夫!なかなか寝付けなかっただけだよ。」

美雪は恥ずかしくなったのか法を頬を赤らめてあきらから離れた。


「そっかー。よかったー。体調でも崩したりしたら…。僕心配で。」


「心配しすぎなんだよ。
このヤンデレ坊主め」


「ヤンデレじゃないよ。
僕はただ心配なだけ。」


真紘(まひろ)が美雪のそばで心配していた
あきらの肩に腕を置いて話す。


「なあ。ちょっとヤンデレ入ってると思わね?柊(しゅう)?」


俺は名前を呼ばれ答える。


「そうだな。あきらには、ちょっと入ってる気もする。」


俺は心配性のあきらをからかうようにそう告げる。


「そんなことないよ。こんな可愛い子心配して当たり前じゃん!」


あきらが美雪の頭を撫でながらこっちを見る。


美雪はその言葉に照れてしまったのか下を向いてうつむいている。

「あきら、困ってるぞ。」



圭哉があきらにそう告げる。



「え?」

あきらは美雪の方を向いた。そして何故か照れる。


「ごめんごめん。つい口が……。」


「はいはい。あきらは美雪のこととなるとおかしいもんな?」


真紘がからかうように言う。

「もう!またそうやっていう…」


「おい!そろそろ行こう。本当に遅れるぞ。」

春賀が急かす。

「本当だ!」


薫が、そう続く。


「よし!急ぐぞ!」


俺はみんなに声をかけ、美雪の手を取っめ走り出した。