パーフェクト エンド

『首気をつけろよ!』


『おっけー!』


コンクリートジャングルに響き渡るのは獣の鳴き声のようなタイヤが滑る音だけ。


『はは!凄ぇだろ!
こんな贅沢なドリフト走行は、もう一生体験できねぇぞ!!』


『わぁーい!!
警察なんて怖くないぞー!捕まえられるなら捕まえてみろー!』


建ち並ぶ商店やオフィスビルにも、路肩に停められている車や俺たちを見下ろす歩道橋にも人影一つ見あたらない。


誰も居ないそんな都会の街を縦横無尽に走る車の中で、俺たちは思いっきり笑った。


不意に、このまま迫り来る運命からも逃げられそうな気がして、俺は無我夢中でアクセルを踏んだ。


隣のこの笑顔をずっと守れなかった自分が悔しくて景色が滲む。


『私は幸せだよ』


カヲルがそう言ったように聞こえて、俺が見ると、カヲルは照れ臭そうに頬を赤らめながら笑った。