ーコンコン


「入っていいわよ。」


ドアを開けたのは3歳くらいの小さな男の子とあたふたした執事。


「奥様、申し訳ございません………。陸坊っちゃま、家で走り回っては行けませんよ?」


「おかあちゃま。じいじがいじめてくる………。」


「仲がいいわね………。」


「わんぱくすぎて困っていますよ。しかもこの子は同い年の子より頭が良すぎます。」


広大さんは疲れたのかドアにもたれかかってはあはあと息が乱れている。


そう、たまたま今日は私は家に仕事を持ち込んでいた。


会社は日曜日は休みだから。


「………なあ、ユリ。この子は………?」


「私の子供。あれ?会ったことないっけ?」


ぽかーんと開いた玲央の口は面白かった。


「誰の子だって!?」


「だから私と旦那の子よ。」


「………全く知らなかった………。妊娠すら聞いてないぞ?」


「だって言ってないもの。玲央がイギリスに出張に行っていた1年間の間に生まれた子よ。夏菜は知っているわよ。」


頭を抱えてしゃがみこんでしまった玲央。


そんな玲央を無視して私は陸を手招きした。