ーバシッ


瞑ってた目を一瞬開けると……


「お嬢様に触るな、カス」


私たちと同じぐらいの年の子と、だいぶ年上の人が私たちから引き離してくれた。


「旦那様に連絡する。お前はコイツを手錠でつないでおけ。」


「了解。」


「おい、お前ら何様のつもりだよ。」


「喋んじゃねえぞ、話したかったら牢屋で好きなだけ喋っとけ。」


「はん、お前に何の権利が。」


勝ち誇った笑みを浮かべた男の人。


でもそんな笑みを嘲り笑うように見返した男の子。


「どの口がそんなわかりきったことを。

誘拐未遂、殺人未遂、強盗。

証拠は掴んでるけど?それにお前らの仲間は一人残らず牢屋に打ち込んだから。」


誘拐未遂犯は膝からがっくりと落ち込んだ。


そして電話し終えた男の人が犯人を近くの木に縛り付けた。


「大丈夫ですか?お嬢様。」


その男の子の言葉を聞いた途端、私と夏菜はそれぞれ目の前にいた2人に抱きついて大泣きしてしまった。