お嬢様の秘密ー番外編ー

「………父さん機嫌直してよ。」


無理やり連行してきて父さんはふてくされてる。


「お前、何歳児に諭されてんだよ。」


運転している玲央さんも苦笑気味だし。


「陸は小学生っぽくねえし。」


「陸様に八つ当たりしてどうするんだよ。俺とお前が初めて出会った頃はもっとませてたぜ?」


「そうだったの、お父様?」


目を輝かせて聞いてみた。


「………こういう時だけ子どもっぽく振る舞うなんてあざといな、お前。」


わしわしと僕の頭を撫でた。


「父さん、痛いってば。」


「おお、ごめんな。子どもは男の子でも女の子でも可愛いからな。」


「………可愛いなんて嬉しくない。」


男の子に可愛いなんて父さんは変だよ。


「可愛いなんて言葉は母さんだけに使うべきでしょう?」


一瞬ぽかんとした父さんだったが、ニヤッと口の端が動いた。


「………お前は分かってんな。」


確実に俺の子だ、となぜか嬉しそうな父さんだった。


「………葵たちは一体子どもをどう育ててるんだよ………。タラシになりそうだぞ………。」


玲央さんの呆れた呟きが耳に入ってきた。


僕と父さんは完全無視を決め込んだ。